食品工場の5S 清掃について

一般衛生管理

現場で働く従業員への5Sの教え方には、いろいろな方法があります。目的を相手に伝えることもその一つです。

「常識」だと思っていることでも、意外とわかっていないこともあるのです。

ここで少し頭を整理してみましょう。

食品工場の5Sの目的とはなんでしょうか?
あなたの考えは的はずれになっていませんか?

この記事で、食品工場においての清掃について共通の理解をもっていただけたらと思います。

食品工場では清掃が一番重要


食品工場にとって、「清掃」が一番重要です。例え整理整頓出来ていなくても、清掃だけは欠かすことができません。

なぜなら、清掃は食品安全に直結するからです。

清掃しないで、工場に残った食品カスは、食中毒菌のエサになります。

そして食中毒菌はどんどん増えます。
すると、工場全体に食中毒菌がはびこり、工場で作っている食品を汚染するまでになります。

こんな場面を想像してみてください。

男子学生が一人暮らしをしています。こたつを中心に居住空間が形成され、こたつから出なくても手が届くようにモノが配置されています。その結果、足の踏み場もありません。いわゆる散らかっている状態、整理整頓ができていない状態です。

そんな彼が、お腹が空いたのでインスタントラーメンでも作ろうかと思い、台所に立つとやはり散らかっています。

昨日使ったお皿はそのまま、鍋もそのまま。仕方なくその汚れた鍋で調理を始めました。

なんてことはありませんよね。
使う前にまず洗います。使って直ぐには洗わなくても、いつかは洗います。

カビが生えたままの鍋を使うことはありません。さらにカビだらけのスポンジで鍋を洗うこともありません。

これが食品工場の清掃に当たります(最近は洗浄と殺菌を加えて7Sもありますが、ここでは清掃に洗浄・殺菌を含みます)。

農作業で使うシャベルは手入れをしないとすぐに錆びます。でも錆びたままでも使えます。

だから清掃は二の次になってしまいます。

でも食品の場合、清掃を後回しにすると食中毒が出ます。

加熱していない豚肉を切ったまな板でそのまま刺身を切ると、豚肉に付いていた食中毒菌が刺身に移行します。刺身は生で食べるので、食べた人は食中毒になります。

だから、食品工場では何はともあれ清掃なのです。

まとめ


一般的な工場での清掃には、「清掃することで機械が長持ちする」「清掃することでヒトが成長できる」など精神論的な発想もあるようです。

しかし、食品工場では「清掃してキレイにする」が第一の目的です。

安全な食品を作るためにはキレイな工場な必要なのですから。

清掃なくして食品安全なし!!

皆さんで協力して、前向きに清掃を行いましょう!