皆さんこんにちは。そしてはじめまして、キュー・アンド・シーの久保と申します。
私は、2000年4月に大学を卒業して入社し、かれこれ20年以上勤めています。現在は、食品企業様の衛生指導、第三者認証取得の支援、工場内で使用する衛生資材の販売、設備器具の販売を行っております。
今回、ブログ作成の依頼を受け、最近重要性が増しているリステリア・モノサイトゲネス(以下リステリアと省略)を書こうと思いました。
そして、私が入社して2年目ぐらい、2002年の話ですが、とあるお客様の工場にて、リステリアの拭き取り検査をし、その時、結構頑張ったな、と思ったもので、このタイトルにしました。
今でこそ、リステリアは、国際的に通じる第三者認証の中では、環境モニタリングと言う要求の中でかなりうるさく重要視されてきています。
しかしながら、そんな20年も前からすでに、リステリアについては考えなきゃいけないリスクとして提言されてきていたのです。実際、私の大学の同期は、その時にリステリアに関する研究を行い、論文を書いていました。
そして弊社の、とあるお客様では、そのリステリアのリスクに注目し、食中毒事故を起こさないようにするために、工場の中のどこにいるのか、まず調査をしました。
さまざまな箇所を拭取り検査して、冷蔵庫の壁と床の立ち上がり部分や排水溝近くの床から検出されたことを覚えています。そして、なんと原料の表面についても拭取り検査を行い、5%ぐらいの確率で検出されたということもありました。そのため、原料の通過する設備も注意が必要だということにもなりました。
そして、そのお客様は、これまで以上に施設や設備の洗浄頻度をアップするなどで、衛生管理を強化し、また、原料については、次亜塩素酸Naでの洗浄を強化するようになりました。その結果、リステリアが検出されなくなりました。
それ以降、自社の検査室にて、定期的にリステリアの項目を、拭取り検査や商品検査にて実施し確認するようにルール化した次第です。
当時は、リステリア対策が重要だと信じて、必死で取り組んでいたのですが、今となって、ここまで重要性が謳われてきたので、「一緒に取り組んで良かった」に加えて、そのお客様は、先見の目を持っていて、非常に素晴らしい会社だなと感じております。
なお、そこの企業では、現在でも継続して行っていることから、安心して購入することができます。ただ、会社名を出せないのが悔しいです・・・
リステリアはアメリカでは多くの患者が出ているにもかかわらず、日本では症例が少ないがゆえに軽視されやすい食中毒菌です。また、発症までの期間が1週間と長い場合もあることから、リステリア症だと気づかないで終わるケースもあるとかないとかで、非常に怖いですよね。
アメリカでは、死亡事故に繋がっているケースもあり、特にハイリスク者にて発症しているので、注意が必要です。
また、このリステリアは4℃以下でも増殖するので、1個でも存在したら厄介です。そのまま食べることのできる食品、いわゆるRTE食品を、冷蔵庫で保管していると、その間でもじわじわ増えてしまうものですから、しっかりと対策を練る必要があると思います。
怯えてばかりでは、何も始められません。きちんと対策を練りましょう。
前述したお客様のように、まずは、現場の調査、製品の調査を、リステリアを視野に入れて行うと良いです。拭取り検査では、いろんな場所を検査すると良いです。洗浄しにくい設備、分解が中々難しい設備、台車車輪、床と壁の継ぎ目、床のひびなども検査しましょう。
また、検査のタイミングとしては、製造開始前の朝一番が良いかもしれませんね。作業後から増えてくることが考えられるので、朝いちばんが検出しやすくなるかもしれません。
もし何か、リステリアの事で、お悩み、お困りのことがある際には、キュー・アンド・シーにご相談ください。
何卒よろしくお願い申し上げます。
キュー・アンド・シー久保