食品期限表示ガイドライン改正
先般、食品の期限表示に関するガイドラインが改正されました。
食品業界にとって「期限表示」は、消費者の安心・信頼を守るだけでなく、製造・流通・在庫管理のすべてに影響を及ぼす重要なテーマです。
ガイドライン改正は単に製品に表示する期限を長くするだけではなく、製造プロセスの見直しやコスト削減につながる好機でもあります。
これを機会に自社の商品の期限の見直しや、期限設定の根拠の再確認をしてみませんか?
期限延長によるメリット
・付加価値の向上
より長い消費、賞味期限とすることで商品の付加価値が向上し、販売増に繋がります。
・廃棄ロスの削減
今まで廃棄されていた製品や仕掛品が使用できることで、食品・原材料の無駄を減らせます。
・環境負荷の軽減
廃棄される食品の削減により環境保全につながり、企業の社会的評価も高まります。
・生産性の向上
長期保管が可能になり、まとめての製造や生産計画の変更にも対応しやすくなります。
・コスト削減
廃棄ロスの削減や効率的な生産により、経費を抑えられます。
・品質管理の強化
製造現場の衛生管理や保存方法、検査体制の見直しにより、安全性と管理精度が向上します。
事例:期限延長で生産性向上!
一般的に期限延長と聞くと、賞味期限延長による販売促進や店頭や家庭での食品廃棄の削減等、工場の外でのメリットがイメージされがちかと思いますが、実はそれだけではありません。期限延長により工場内での時間的余裕の確保や廃棄ロスの削減、それによる効率化やコスト削減も実現することが可能です。
例えば、とある工場ではシュークリームの消費期限を3日から5日に延ばす、という取り組みを行いました。レシピの変更や工場の衛生状態の改善により2日の延長を実現しましたが、この工場では商品に表示する消費期限は3日のまま変更しませんでした。その代りに、製造から出荷までのリードタイムにこの2日を当て、工場内での時間的な余裕を持たせました。それにより生産計画や注文への対応が以前よりも行い易くなり、また1度に生産できる量も増えたため、効率的な生産が出来るようになりました。
人件費や原材料費の高騰、歩留まりが悪い、等で困っている工場管理者の方、別な視点から効率化を検討してみませんか?
気になった方は是非お問い合わせください!
弊社では、企業様のニーズに応じた様々なサポートを提供しております。
・保存試験による賞味期限の科学的な設定
・病原微生物の添加試験による実際の製品、仕掛品での検証
・製品の保存性確認、レシピの改良の提案、添加物の提案
・精密な水分活性(Aw)の測定と水分活性調整の提案
・仕掛品(原料、中間製品、半製品)の使用期限見直し
食品ロス削減、省エネ、コスト削減、商品開発、品質・衛生管理などのゼロカーボンに資する課題の解決のための補助事業も行われており、それらを活用することも可能です。
この機会にぜひ、期限表示や保存性に関する見直しをご検討ください。
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